Project no.9
城下に響く ー大分県杵築市における"誇りの場"の再編ー
大分県杵築市の中央通りである「谷の町通り」には,商町屋の隙間に複数の空き地が点在している。
町の中心から人の気配が遠のきつつある現状に対し,新たな空き地の活用方法を提案した。杵築の「人や物」,「記憶」,「活動」,「文化」,「移動手段」など,様々な情報が,谷の町通りに集まり,もう一度,"杵築のメディア"として再生されることを目指した。
【シャレットワークショップ】
2005年から12回目の開催となるシャレットワークショップは,日本の建築・都市系学生の実践教育プログラムを応用したもので,日本建築学会(住まいまちづくり支援建築会議)とNPOまちづくりデザインサポートが主体となって進められています。将来,まちづくりを担う人材を育成するためにも,まちづくりデザインや建築に長けた専門家の指導を受けながら,学生がグループに分かれて提案の検討を行います。毎年,全国各地の様々な地域で実施されています。
今回(2016年度)の対象地は,大分県杵築市。大分県東部の大分市と,別府湾を挟んだ国東半島の南端部に位置し,江戸時代からの城下町の町並みや地形が残っています。南北2つに分かれた高台には土塀の連なる武家屋敷が並び,その谷となる場所には商町屋が並んでいます。その特徴的な景観や都市構造は「サンドイッチ型城下町」と称されています。
シャレットワークショップでは,学生達が町を歩き,そこから生まれた意見を整理し,5つのテーマと計画エリアに分かれて杵築の町を繋ぐ未来のビジョンを提案しました。
城下に響く ー大分県杵築市における"誇りの場"の再編ー
01. 谷の町通りを"杵築のメディア"へと再編するプログラム
02. 杵築の誇りである谷の町通り
03. 谷の町通りの中核を担い,飛び地状の空地を呼応させていく
04. 建物の外部環境を周囲の空間や地形と連動させる
06. 空地の活用法を示し,町の中心に賑わいを創出する
ワークショップ参加者