No.02: プレゼンテーションの編集作業を効率化する有用サイト・ツール情報 (前編)
一般に公開されているサイトの中から,有用であると思われるものを厳選して紹介します。
前編は,基礎編としてプレゼンテーションに限らず,着想や検討段階にも活用できるサイトで,幅広い層が活用可能なサイトを紹介します。
後編は,Rhinocerosや3dsMax,SketchUp,,Maya,Cinema4D等といった,建築で用いるモデリングソフト全般を利用する人向けの有用サイトを後日紹介します。(AutoCADやRevit,ArchiCadにも対応)
特別編として,技術習得のために日頃お世話になっているチュートリアル関係のサイトや動画を一挙に公開します。
① CAD MAPPER
世界の主要な都市周辺部に限定されるが,選択した範囲からCADデータ,3D情報を含んだデータをダウンロードすることが可能です。情報の公開時期や実物との整合性等,全てが信憑性のあるデータか判断の付かない部分を多く含むが,整合を取りたい箇所に絞って作業を行えば良いだけと考えれば,大幅に作業時間を削減することが可能です。敷地の情報を得る際,日本国内の地図情報であれば国土地理院等から提供されるデータや,測量データ,時に3Dスキャン(点群)を用いますが,ここは海外の情報も含めて手軽に入手出来る便利なサイトです。
② Textures.com
言わずと知れたフリーテクスチャー公開サイト。簡単なアカウント登録を済ませれば,
カテゴリー・解像度別に,様々なテクスチャーをダウンロード可能です。解像度の高い画像については有料となりますが,建築のパースに使う程度のテクスチャーであればフリー版で十分と思われます。Photoshopで活用する画像検索は主にGoogleを利用することが多いですが,このサイトを補助的に利用おり,画像に一手間加えて作業することが多いです。フリー版を超える高解像度を求める場合にのみ購入を勧めます。
③ Silhouette Design
商用FREEの2次元イラストデータをカテゴリー別に公開しているサイトです。建築での利用に関して実用的でないデータを多く含みますが,人物添景や樹木,生物,記号関係において有用なデータをダウンロードすることが可能です。Aiデータ(Adobe illustrator)であることから,DWG・DXFへの書き出しをしてCAD上で用いることも出来ます。
④ NO-N-NO sozaiya.com
商用FREEの無料添景素材と有料の添景素材をダウンロード出来るサイトです。イラスト添景やSketchUpデータなども公開されています。無料の添景素材を集めるだけでも,十分便利なサイトとして利用することが出来ます。
⑤ Skalgubbar
切り抜かれた人物添景画像が公開されているサイトです。日本人添景はほぼ存在しませんが,あらゆるシチュエーションの添景を素早く収集出来ます。カテゴリー別に検索することも可能です。目をこらすと有名建築家のパースにも頻出する添景が公開されています。サイト内で公開されている実際の活用例を参照すると使用時のイメージが持ちやすいと思います。
⑥ NONSCANDINAVIA
Skalgubbarと似ていますが,ポリゴン加工された人物添景やシルエットの人物添景を公開しているサイトです。種類はさほど豊富ではありませんが,掻き集めて使う分には十分な量を公開しているサイトです。
⑦ MR.CUTOUT.COM
カテゴリー別に切り抜き添景を配布しているサイトです。人物や植物の切り抜きだけではなく,動物やインテリアなど様々なカテゴリーを網羅しています。特筆すべき点は更新頻度。最新の画像を高解像度で入手できる点が便利さのポイントです。
⑧ Videostock
ムービー作成用のシークエンスデータを無料公開しているサイトです。様々なシチュエーションや日常のシーンを高解像度に収めていることから活用の幅が広いです。カテゴリー別に分類されており,関連する情報を表示してくれるため検索性が高く使いやすいサイトです。
⑨ Google Nik Collection
Googleが無料公開している画像のレタッチ,色調補正などを誰でも手軽に,バリエーション豊かに行う事の出来るAdobe Photoshop,Lightroom対応プラグイン。Photoshop等に標準搭載されている機能に,レタッチの拡張機能を追加します。全ての機能がレタッチに適しているが,特にオススメはColor Efex Pro。Nik Collectionには,Color Efex Proを含む複数のレタッチプラグインが内蔵されています。
Photoshop作業の最終段階での味付けや化粧といった微調整で用いることが多いです。
編集前と編集後をマルチに比較する事が可能で,細かいフィルタ効果や,微妙な彩度,コントラストの変更等,手書き,フォトリアルを問わず応用の幅が広いです。作業後はレイヤーを自動生成してくれるため,元の編集状態に容易に戻ることが出来る点が便利です。
⑩ Pinterest
主に事例検索を目的とし,様々な画像データをカテゴリー・タグ別に検索することが出来ます。また,気に入った画像をピン保存することが可能です。アカウントをフォローすれば他人と保存した画像を共有することが出来るため,チームで共通の事例を参照することも出来ます。建築に限らず様々なジャンルの画像を検索することが可能です。日本だけではなく海外の事例を短時間に収集でき,プレゼンテーションにおいては,シートレイアウトやパース,ダイアグラム等の参考事例収集に役立ちます。アプリを用いて携帯,タブレット,パソコン(ウェブ)で閲覧できます。
⑪ 今昔マップ on the web
国土地理院の地図データをベースとして,日本国内の年代別地図データをマルチに比較しながら参照することが出来ます。サイトは過去の地図を参照するためのもの。現在との比較や,古い地図同士を並べて比較することが出来ます。マウスカーソルが同地点に表示されます。
⑫ Google検索 + 画像検索
結局のところ,Google検索が万能。普段の作業は一部を除いてほぼ全てGoogle画像検索を元に高解像度の画像を探し,編集に役立てています。切り抜きの添景以外は全てGoogleを経由して入手しており,実際には上記のサイトからテクスチャーを利用することは稀です。解像度を指定して検索することが出来るほか,もはや説明が不要である程,検索ツールとしては完成されています。