No.07: パース編集作業を上達させる有用なTutorial動画リスト(Matte Painting編 第1回)
建築を続けると避けては通れないパース編集について,PhotoshopをベースにMattePaintingの技法を解説したチュートリアルを共有します。せっかく意気込んで設計をしたのに意図が伝わらないのは勿体無い。パース編集を目的にせず,設計意図を伝える事を目的に役に立つ動画リストです。
昨今のレンダリングツールの進化に伴って,図面作業やモデリング作業,検討段階から手軽かつシームレスに高品質なレンダリングを行えるようになってきました。やはり,「手軽さと高品質」が大きなポイントで,ほとんど練習せず無知識状態でもモデリングさえ出来ていれば,誰でも見栄えのするパースが完成してしまいます。プロの専門家が作成するような練度の高いパースが益々進化する傍ら,レンダリングツールの機能向上により最低レベルの底上げが随分されています。そのおかげで,自分のようなパース素人もかなり助けられています。
例えばLumionの登場時は,ゲーム感覚でモデルの中を闊歩し,本物と見紛うほどのリアルな添景を配置,マテリアルも素早く検討,特殊効果エフェクトをトッピング,素人でも細かい設定をスルーして高品質なレンダリングが出来てしまう,そもそも添景や環境が動いているので動画の書き出しも簡単とあって驚きました。PCのスペックにも寄りますが,およそ1分弱で高解像度,高品質のパースが完成してしまいます。パースに限れば,30分練習した大学1年生が,簡単に大学院2年生に並ぶか超えてしまう程の底上げが起きています。これに関してはゲームの感覚に近いので,例え小学生でもクリックひとつ覚えれば大学院生に勝るのは容易いと言えます。もちろん,品質は設計細部の練度が物を言うので,単純な話ではありませんが...。他のソフトに関しても,随分レンダリングに関する敷居が低くなっているため,検討や表現物の作成が手軽になっています。
ただし,短時間でお手軽に行ったレンダリングでは,緻密なマテリアル設定やライティング等の環境設定を施したプロのレンダリングとは別に,質は高くても味気がない印象に成りがちです。構図を選んだとしても強烈な印象を与えるには不十分と言えます。もちろん,パースの表現の度合いは求められるシチュエーションによっても異なります。おそらく割合は違えどプロとて同様に,Photoshopで補う必要が出てきます。人間のお化粧と同じで,元の顔立ちをどの程度化粧で補うか,なるべく活かして際立たせるかがPhotoshopの仕事です。
自分が学生の頃は,元の顔立ちがあまり宜しくない元画像をベースに作業を行ってばかりだったため,無理やりPhotoshopで整形手術を施したパースを作成していました。設計活動全体の割合から言えばそればかりやってられないという多くの言い訳を含みますが,ツール環境を解消すれば改善できたり,ちょっと調べて知っていたりするだけで,時間を費やさずに事を為せたという反省はあります。
その回り道のおかげで,Photoshopの技能習得に一役かってくれたチュートリアルに数多く出会いました。今回は,Matte Paintingを中心として,建築パースにそのまま転用できるものから,応用して取り込むものを一部共有をします。(容量制限のため)
① ARQUIQ9 Visualisation シリーズ (チャンネル内の一部)
② Elissandro Pintoシリーズ (チャンネル内の一部)
③ Photoshop Architectシリーズ (チャンネル内の一部)
【参考】Lumion